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エガオノダイカの結末から考える笑顔の代価

 2019冬アニメ「エガオノダイカ」の結末なお話。

 ※エガオノダイカのネタバレが多く含まれているため注意してください。

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 「エガオノダイカ」は王国と帝国の戦争を描いた作品。その中で王国側はユウキ王女、帝国側は兵士のステラというダブルヒロインを持ってくることによって、両国の視点をリアルに描くことができている作品でもある。

 タイトルに「エガオノダイカ」とあるように、この作品には「代価」が発生する。代価は物事を実現するために発生する犠牲のことだが、この作品における犠牲とは「死」である。

 とにかく死ぬ。ダブルヒロインの周りの主要キャラはばんばん死んでいく。特に王国側は攻められる立場で防戦一方なため王女を守るために多くの人が犠牲となっていく。こうした犠牲を前にユウキ王女は戦争を止めたいという気持ちを強くしていく。

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 この物語の舞台は地球ではなく、ある星での物語。その星ではクラルスという独自の鉱石が存在し、そのクラルスの力を使い機械を動かしている。クラルスは戦争で使う戦闘機以外にも食料プラントを稼働させる使い方もされていて、クラルスはこの星にとって必要不可欠な存在となりつつあった。

 しかしクラルスは、無から有を生み出しているわけではなかった。クラルスの使用は環境汚染を引き起こし、作物が育たない原因もクラルスにあった。そうした中、王国側はクラルスのエネルギー活動を停止させる方法を思いつく。

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 最終回、すべてのクラルスを動力とする機械は停止。クラルスが使えない分、不便なところもあるが戦争は終わりを迎え、平和な日々が始まった・・・というのがエガオノダイカの結末。そしてダブルヒロインは笑顔でこう言った。

 

「遠い遠い星に生まれたある二人の女の子のお話」

 

 そう。「エガオノダイカ」はある二人の女の子のお話なんです、はい。それ以上でも以下でもない。女の子のお話。女の子が笑顔になるまでのお話なんです。だからもう代価は忘れよう。笑っている。それだけでいいじゃないか。とでも言わんばかりのメッセージ。

 

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 「笑顔の代価」はとても大きく、ユウキ王女の周りなんてほぼみんな死んでしまった。それでも前を向いて笑顔でこれからを歩んでいく。その覚悟を最後の笑顔から感じないこともない。がしかし、ダブルヒロインの関りが本当になかった。ダブルヒロインが最後だけ交わるだけってのは想定外。

 この「エガオノダイカ」はタイトル通り、笑顔の"代価"を描くことが最大のテーマであり、それについてはとてもよく描かれている。だってたくさん人死ぬし。それだけの代価を描いておきながら最後の"笑顔"ですべてが解決するのか?という疑問を抱く笑顔でもあった。設定やテーマはいいしストーリーも良かった分、「笑顔の代価」の部分に作品作りの意識が集中しすぎて他があやふやになってしまった感じに見えて惜しいとも感じる作品でした。

 

 いや、むしろ笑顔の代価は描けているからこれはこれで成功した作品・・・なのか?

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