アニメ「22/7 ナナブンノニジュウニ」の感想・レビュー記事です。
22/7 ナナブンノニジュウニ
第1話「さよなら、私のささやかな世界」感想・レビュー
滝川みうの元に届いた、芸能事務所「G.I.P」からの怪しげな手紙。運命に導かれるように集められたのは、みうを含め8人の少女たち。「あなた方にはアイドルユニットとしてメジャーデビューしていただきます」――合田と名乗る男に導かれ、目の前に現れたのは地下に存在する極秘施設と謎の“壁”。みうたち8人は光と闇の渦巻く運命のステージへと歩き出す……。
秋元康プロデュースのナナブンノニジュウニ待望のアニメ化。
アニメ本編で彼女たちがアイドルグループを結成した2016年12月24日。それは現実で22/7が結成された日でもある。
となると現実の時間軸とどこまで連動させていくかが今後の注目ポイントだろうか。
主人公は22/7全員だが、主軸になるのは滝川みう。
母と妹が世界のすべてだった彼女だが、バイト先から来なくていいと言われ、大事にしたピアノも売値は安い。
「一番やりたくないことをしに来ました」と言ってアイドルを決意する滝川みう。
彼女を見ているとどうにも欅坂が思い浮かぶ。OP曲も欅坂のような雰囲気を持っていたし。
ただ他のメンバーは欅坂な印象はなく、彼女たちがどういった困難を乗り越えてアイドルになっていくのかは楽しみ。
ピアノの鍵盤
第1話で印象的だったのは、みうがピアノを売りに行った後の場面。
川沿いの歩道を歩くみう。夕焼けに照らされて手すりの影がピアノの鍵盤になっている。
その手すりに手を載せてピアノを弾くように指を動かすみう。そしてみうは座り込んでしまい…。
バイト先から来なくてよいと言われ、ピアノもお金にならずどうしようもなくなってしまうみう。
そんな彼女が「やりたくないことをしに来ました」とアイドルへの道に足を踏み込む姿は惹きつけられる。
滝川みうをはじめ、ナナニジの魂である声優陣の何名かは今作が声優初作品となる。
棒読みが気になるといった声も聞かれるが、ナナニジはアイドルの成長作品と思うと、声優としての成長も一つの見所として見ていけるとより楽しめそうだ。
第2話「めまいの真ん中」感想・レビュー
突然”壁”が吐き出したプレートによって『22/7』と名付けられたみうたち。吐き出された2枚目のプレートには『審査会を行う』という“指令”が。戸惑いながらも思い思い準備を始めるメンバーだが、みうはまだアイドルとしての自分をイメージ出来ず、ひとり落ち込む。不安と緊張の中で始まる審査会。向けられる大人たちの厳しい眼差し。圧倒的実力を見せつけるニコルとは裏腹に、みうは自己紹介すら上手く出来ず……。
滝川みうと斎藤ニコル
集められた8人はさっそく審査会へ。斉藤ニコルに「一番やりたくないことってなに」「アイドル舐めるなよ」と壁ドンされる滝川みう。階段の踊り場というのも不穏な雰囲気がとても出ていて二人の温度差がより伝わる。
この時「だいたいなにその前髪、そんなんでいったい何人のお客さんと目が合うの」という一言はニコルがいかにアイドルを理解しているかが分かる一言。このあとの審査会で横一列に並んだ8人の中でみうだけが瞳が見えないのがとても印象的。
審査会で圧倒的なパフォーマンスを見せる斎藤ニコル。その姿をみうは前髪越しに見る。
滝川みうと斎藤ニコルは対極の存在に位置していて、自信がまったくない滝川みうと圧倒的自信でアイドルを目指す斉藤ニコルという二人がどういった相乗効果を見せていくのかが今後の注目。
止まるみう、進む7人
審査会が終わり、センターに抜擢された滝川みう。
自分がセンターをしていいのかという迷いから前回一歩進んだのにまた立ち止まってしまう。電車が来て周りが乗り込んでいく中、一歩も動かないみうの脚。
対してみう以外の7人はレッスンを始めていく。
レッスンに来ないみうを心配してニコル以外の6人がみうの元へ訪れ、みうはまた一歩前へ進む決意をする。この時みうがきちんとメンバーの名前を呼んでいるのも印象深い。
公園で桜に光が当たり、みうは影になる演出もよかったです。桜に近づいてみうに光が当たる場面なんて最高に素敵。
ナナニジのイントロダクションには「大切なこと、それは自分を信じて一歩踏み出すこと――」とある。ナナニジは自信の獲得がテーマ。滝川みうをはじめとするナナニジのメンバーたちがいかに自分を信じていくのか。その姿によって今、活躍するナナニジがより一層魅力的に見えてくることだろう。
第3話「こんにちは、新しい世界」感想・レビュー
“壁”からの指令により、22/7のお披露目ライブが2月27日に決まる。ライブに向けて、みうたちはレッスン漬けの毎日。しかしセンターを任されたみうが、メンバーの足を引っ張ってしまう。「今はあなたが真ん中なの。これ以上ガッカリさせないで!」ニコルから喝を入れられるみう。センターとして、一体自分に何ができるのだろうか?そして、ライブ当日。ステージに立ったみうは、そこで予想外の光景を目の当たりにする。
無機質な壁に謎の猫?のぬいぐるみを置く都。通称、壁ちゃん。ぬいぐるみと愛称ができたことで愛着が形成されて壁が可愛く見えてくる?
ニコルはみうにうさぎのヘアピンをプレゼントする。わざわざみうに新しいヘアピンをあげるとは思えないし、ニコルの好きなものに「うさぎ」があるので、自分が使っていたものだろう。
みうを認めてはいないがセンターとしてきちんとしてほしいという願いの形。
合田マネージャーの「レッスンのお時間です」がホワイトボードに書かれていて、練習の合間にナナニジのメンバーで合田マネのいじりをしていることが伺える。
都が壁に質問をしていたらあかねが「壁に質問することは許されません」と真似していたし、あの招集から2ヶ月も経つと色々と変化があって良い。
初ライブは200人規模の会場で開催。ほぼ満員で某アイドル作品とは大違い。
実際の2017年2月27日は、メンバー全員の芸名を決める「名付け親募集」企画発表のみだったみたいで、実際の初ライブは7月、翌年の2018年2月27日にはライブをしている。この2018年のライブの名前に今回お披露目した曲の一つ「シャンプーの匂いがした」が入っているため、このアニメの時間軸ではこのライブと今回の初ライブを重ねているのかもしれない。
初ライブで機械トラブル。これを救ったのが滝川みうのピアノ演奏。1話やOPの時からピアノに対するこだわりが垣間見えていたからピアノ演奏は来るだろうなと思っていたけどピンチをチャンスに変えるものとして使うのはとても素晴らしかった。
ピアノのみの音源が個人的にかなり好きなので、この演出は刺さりました。サウンドトラックはナナニジの第1巻blu-ray&DVDに特典として付きますが、このピアノverは入っているのだろうか。
EDは滝川みうが歌う「One of them」。滝川みうの魅力がつまった曲とモデルのように衣装を着こなすみうの姿がかわいい。
お母さんとの話し合いは描かれなかったけど、お母さんの表情や「ピアノの演奏格好よかった」の言葉で応援してくれていることがよくわかる。
最高の3話。
©ANIME 22/7