とあるエディターさんが書いた記事が話題となっています。
それを取り上げたツイートもバズっている状況です。今日はそんな話。
ドラゴンボールを読んだことがない
これはすごくいい記事だなぁと思う。我々オッサンオタクが若者に80~90年台の傑作を見ろ!!っていうときも常にこういう感想と直面するんだよね。 >『ドラゴンボール』を読んだことのない僕が、先輩に反論するために全巻読了した結果 https://t.co/WrxyO7yu0F
— さとっち (@30calclub) October 15, 2018
記事の内容はドラゴンボールという名前は知ってるけれどマンガは読んだことがない若者が先輩にドラゴンボール読んでないのまじか!と言われたので読んでやろうじゃないかと意気込んで読んだけど今を生きる人と価値観違うし面白くなかったよという話。
先輩から読んでないのはどうなの?と言われることについて著者は「ドラゴンボールハラスメント」と表現していて、これこそ今の人がなんでもかんでもハラスメントとつける現代っぽさを感じずにはいられない。
それはよいとして、このツイートをした人はリプの中で「『機動戦士ガンダム』だって『機動警察パトレイバー』だって個人的には大好きな作品ではあるけど、じゃあ今の若い子たちがアレを見て純粋に「アレを見ていた当時の僕たちと同じ感想」を抱くかってーと絶対にそんなことはないんだよな。」とも語っていて、私もそれに同意する。
ある漫画が人気となるのはもちろんストーリーの面白さ、キャラクターの魅力、画力のすごさなど色々と要素はあると思う。そしてその要素の中にはタイミングもあるはず。
その時代だったから売れた作品。絵画などは画家が生きていた時は評価されず亡くなってから評価されることがある。それもまた一つのタイミングの問題。
なにで読んだかは忘れたけど「週刊誌連載は生もので読者の意見や時代の流れを加味して書いていかなければだめになってしまう」みたいな一文を読んだ記憶があります。
やはりその時代、その時に書かれていたからこそ当時の読者にハマって人気になった作品は多いと思います。例えば今「ガラケー」を使った作品を描いても今の若者にはピンとこないはず。今は「スマホ」を使った作品ばかりで、やはり今の時代だからこそ描ける作品で、今だからこそより面白く感じるのかもしれない。
もちろん今でも名作と呼ばれ続ける昔の作品たちは、当時を知らない人たちが今読んでも面白いと感じるから名作と位置付けられるというのもあると思います。
ドラゴンボールハラスメント
また、漫画家さんがこんなツイートをしていました。
一般読者がドラゴンボール見て面白いと思うかそうでないかは自由だけど
— 平野耕太 (@hiranokohta) October 16, 2018
「エディター」を名乗ってる人間が、あれ程の化け物作品見て
何であれが世界で受けているか何も汲み取れないなら無能だし
何も汲み取らないなら低能だから
別に近づかなきゃいいんじゃないですか
編集者である立場の人間がこれほど素晴らしい作品を見て何も感じないのは無能。
これこそまさにドラゴンボールハラスメント!と声を大にして言いたくなりますが、なるほど編集者というのは作品の良しあしをもう少し汲み取れた方がいいというのはわかる気がします。
まあでも今回の件はエディターとか編集者とか関係なく、炎上しているような印象。
こういったやり取りを見ていて、数日前に見かけたこんなツイートを思い出しました。
プロと素人
本当に耳を傾けるべきは「プロのアドバイス」と「素人の感想」であって、最も耳を傾けてはいけないのは「プロの感想」と「素人のアドバイス」なので、業界に精通する人間が「すげえ」と言ってても深追いしなくていいし、体験してないことを「こうしたほうがいい」と言ってる人間の話は聞かなくていい。
— プロ奢ラレヤー🍣 (@taichinakaj) October 14, 2018
エディターはプロなのか素人なのか。このドラゴンボールの記事はアドバイスなのか感想なのか。
そもそもドラゴンボールハラスメントの記事は先輩からハラスメントを受けたので反論してやんぞという意気込みでドラゴンボールを読んでいる印象が強く、とにかくドラゴンボールのマイナスポイントを探そうという気持ちで読んでいる気がしてなりません。
どんな作品にも良いところ悪いところというのはあって、それこそ週間連載している作品は話のつじつまを合わせるために矛盾があることは確かにあります。
ドラゴンボールはそれこそ「いきあたりばったり」と第1巻に書かれていますからつじつまが合わない場面が色々あるのかもしれません。だけどそういうところも含めてドラゴンボールは面白いという人もいるわけですね。
面白い作品といってもそれを面白くないと感じる人は一定数必ずいるわけで、それが今回ちょうど編集者という立場の人がそうだっただけな気がします。そして名作なんだから読まないといけないと誰かに言うのはハラスメントと位置付けられてしまう可能性があるから気を付けないといけないなと思います。
私もドラゴンボールは読んだことはなく、一度だけ映画を見に行ったことがありますがキャラクターの関係性がいまいち掴めずいまいちピンと来ませんでした。きっと漫画を読んでいればもう少し面白く見れたかなと思うのですが、今の作品を追うのもやっとなのに昔の作品まで手を出すのは時間を生み出すのは難しくいまだに読めていません。
今の人たちは娯楽が本当に増えてその有限の時間を何に使うのか多くの選択肢から選ばなければなりません。話題の新しい作品はもちろん名作と呼ばれる昔の作品まで手を伸ばすの本当に大変で、作品が増えることは良いですが、毎年名作が増えていく中、あれを読めこれを読めと言われるのは本当に大変だなと思うのでした。
おしまゐ。
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追記
あの記事はけっこう話題になっているみたいですけど、それこそドラゴンボールハラスメントなところがあって、多分私もけいおんはダメだぐらいに言われたらこいつ分かってないなと思ってしまうかもしれません。
人の面白さの価値観はそれぞれで、今回の件はたまたま先輩からドラゴンボールと言われただけであって、もしかしたらスラムダンクかもしれないし幽遊白書かもしれないしジャンプ以外の作品だったかもしれない。
そういう〇〇読んで(見て)ないのまじかよ人生損してるみたいに言われてから見た作品というのは最初から穿った視点を持ってしまうからよくないと思うんですけどね。
そもそもあの記事はドラゴンボールハラスメントについて語っていたのに、いつしかドラゴンボールの批判になっているのが炎上している原因かも。言葉で表現することの難しさを改めて感じます。私も注意しよう。