本記事の目次
はじめに
魔法少女とはなんだろう。分からないことはとりあえずグーグル先生に聞いてみよう。
ニコニコ大百科とwikipediaの情報を見てみるとこう書いてある。
魔法少女とは、魔法を使うことのできる少女のことである。
魔法少女は、「人間界に来た者」と「人間界出身」という風に分けることができ、日常生活している世界と異なる世界が1つないしは複数存在しているケースが多い。
基本的には魔法少女は小学校低学年~10代である場合が多くそれを越すと魔女または魔法使いという分類になると考えられる。
魔法少女とは (マホウショウジョとは) [単語記事] - ニコニコ大百科
魔法少女(まほうしょうじょ)とは、作中において魔法などの不思議な力を使い、騒動を巻き起こしたり事件を解決したりする少女をさすキャラクター類型(ストックキャラクター)である。
魔法少女の基本的な要素は、ヒロインが周囲の誰も持っていない力を使えることである。この力は、より上位の力の持ち主から授けられたものと、生まれつき有しているものの2つに大別できる。
なお、魔法少女が行使する力は、文字通りの意味での魔法や魔術であるとは限らない。
なるほどこの2サイトを総合すると、魔法少女とは魔法(不思議な力)を使う少女のことで、魔法を使える力を得た人間や、そもそも魔法が使える世界の住人がそう呼ばれる。少女とあるように魔法少女は10代前後で、それを越すと魔女、魔法使いの扱いとなるようだ。
といっても魔法少女アニメは多種多様で、20代で魔法少女になる人もいれば、そもそも魔法少女という言葉は使わず小さい頃から魔女と呼ぶ場合もある。本記事のタイトルは「魔法少女アニメにおける魔法少女と魔女の違い」であるが、魔法少女アニメの中に魔法少女はもちろん魔女も含まれている。魔法少女と魔女はほぼ同じ意味なのだから当たり前だ。それでも二つの呼び名に違いがあるとしたら何があるだろう、と考えたのがこの記事である。ここでは魔法少女アニメの中で魔法少女と呼ぶか、魔女と呼ぶかという点に着目してこの2つの違いを考えることにする。
※本記事には魔法少女アニメ作品のネタバレが含まれています。
魔法の種類ー個性と没個性ー
魔法少女と魔女は魔法を使う。魔法といってもその力は様々だ。箒で飛ぶといった魔女っぽい力から、ほとんどなんでもできちゃう魔法まである。魔法少女作品の場合、魔法少女になることによって魔法が使える。また敵を倒す作品が多いため、魔法は戦闘に向いたものとなる。「魔法少女まどか☆マギカ」や「魔法少女育成計画」など魔法少女アニメの多くは、魔法少女になった人間それぞれに固有の魔法や魔法少女の恰好が与えられる。これがキャラの個性につながるわけだが、それに対して魔女作品は魔女なら同じ魔法を使うことが可能な場合が多い。変身しないから服装も自由。ただしキャラクター性は大事だから、使える魔法の種類や得手不得手によって個性を出している。「ふらいんぐうぃっち」の主人公真琴は箒で飛ぶのが苦手で、飛ぶのがうまい姉に扱いを教えてもらうし、「まじもじるるも」のるるもは箒に乗れない。そうやって使える魔法と使えない魔法を作り個性を出しているのが魔女アニメの特徴。「終末のイゼッタ」でも魔法の制約によって、魔法は万能ではないということを示している。魔女の魔法というとなんでもできるイメージがあるが、意外と制約が多そうだ。
魔女の受け継ぎと魔法少女の一過性
近年の魔法少女作品の代表格として「魔法少女まどか☆マギカ」と「魔法少女リリカルなのは」がある。これら2作品の特徴は魔法少女になる力を他者から授かるという点だ。まどマギはキュウべえ、なのははユーノ。そしてアイテムを使うことによって人間が魔法少女へと変身するのも特徴の一つ。そうして魔法少女となり敵と戦うのである。
魔法少女作品に対して、近年の魔女作品は「ふらいんぐうぃっち」「終末のイゼッタ」「ストライクウィッチーズ」があげられる。これら魔女作品の特徴はなんといっても、そもそも人間ではなく魔女であることだろう。アイテムを授かり魔法少女になる作品とは対象に、そもそも魔法を使うことができる魔女なのだ。そして、魔女の力は遺伝することが魔女作品の最大の特徴といえる。
魔法少女は力を授かるだけで、その魔法の力は子孫へと遺伝しない。そもそも人間なのだから当たり前で、魔法を使うためには変身しないといけない。魔法少女は人間が変身した姿の呼び方で、それは仮面ライダーや戦隊もののなんとかジャーのようなものかもしれない。だから「魔法少女まどか☆マギカ」や「魔法少女リリカルなのは」というタイトルになっても違和感がない。一過性の魔法少女に対して、魔女の力は受け継がれていく。そうしてある時代のある魔女が主人公となり魔女作品は作られていく。
日常と非日常ー終わりの有無ー
だいたいの魔法少女作品は、いつもと変わらぬ日々を送っている少女が見たこともない生物からアイテムを受け取り魔法少女へと変身し非日常の世界へと変化していく。対して魔女作品は魔女の日常として描かれる。このことは何を意味するのかと考えたが、終わり方の問題かもしれない。魔法少女には倒すべきボス的存在がいたり、目的がどこかにある。しかし魔女には倒すべき存在はいない。普段の生活を送るだけだ。その日常の中で起こる問題を解決するのが魔女なのだ。アニメの最終回では魔法少女作品はボスを倒すなどの目的を達成し、魔法少女の非日常から人間としての日常が戻ってくる。対して魔女作品は日常を描き続けていくだけなので、最終回といってもそれ以降も魔女としての日常は続く。逆に考えると魔女作品に終わりはないのでないか。あるとすれば死ぬまで。より現実的な作品が魔女作品なのかもしれない。とすると終わりがある「おじゃ魔女どれみ」シリーズも、今作るとしたらタイトルは「魔法少女どれみ」になるのかも。
さいごに
だいたい魔法少女と魔女の違いがわかってきたので、魔法少女と魔女作品に必要な要素を簡単にまとめておく。
魔法少女作品
・変身するアイテムと変身姿
・変身アイテムを授けるなにかがいる
・ボスを倒すなど目的(終わり)がある
魔女作品
・使う魔法の種類の得手不得手
・主人公には親がいて魔女の力を受け継いでいる
・魔女の日常で目的(終わり)がない
いろいろと述べてきたが、もちろん例外はたくさん存在する。「魔法少女まどか☆マギカ」には魔女が存在するし、「魔法少女なんてもういいですから。」は魔法少女の日常を描いている。これらはその作品の個性として考え、今後も私が想像もしない魔法少女・魔女作品が生み出されるだろう。
おしまゐ。