フリップフラッパーズというアニメがあります。まだ1話しか見てなくて、ストーリーがよくわからないので、公式サイトのストーリーを紹介。
INTRODUCTION
あなたには、世界はどう見えているんだろう
扉をひらくカギを手にした二人のヒロイン、パピカとココナ。
少女と少女は出会い、そして別の時間、
異なる空間「ピュアイリュージョン」での冒険が始まる。
願いを叶えてくれるという”ミミの欠片“を求め、
ピュアイリュージョンを巡る二人の前に様々な困難が立ちふさがる。
二人に危機が迫ったとき“ミミの欠片”が輝き、
そして彼女たちは変身するのだった。
ルビン
イントロダクションの最初の一文「あなたには、世界はどう見えているのだろう」。これはどういう意味なのだろうか、考えていきたい前に1話を見て気になったところを一つご紹介したい。
どこにでもいる女子中学生ココナ(左)が草むらの中を進むとそこには土管。その土管から出てくる謎の女の子パピカ(右)と対面するシーン。
お互いの顔の近さに、百合百合しさを感じずにはいられませんが、この画を見てあるものを想起しました。それがこちら。
この画像はルビンの壺といって、白いところに着目すると壺があるように、黒いところに着目すると2人が向かい合っているように見えるというもの。
どちらが見えてもおかしいということはなく、2つの見方ができるよというだまし絵やトリックアートとも呼ばれるものです。
そもそもこのアニメ。1話冒頭にこのルビンの壺に似たものが出てきます。
ビルンの壺は白黒なためどちらか一方に見えるものですが、フリフラ第1話のこのシーンでは顔と壺にあたる砂時計部分が別個に色付けされているため分かりやすいですね。
この画はどう見てもルビンの壺を意識したもの。もしかしたら、この映像を最初に見ていたために、最初の画像がルビンの壺に見えてきたのかもしれません。
似てないこともないでしょう?いや、そこまで似てないか。
フリップフラッパーズのほうは顔にしか見えなくて、壺なんてものは見えてこないのだけど、ルビンの壺を意識しているようにも見えてしまうのです。
ドクロ
調べてみるとこのアニメ、ちらほら錯視をぶっこんでいるようで、一話でもいくつかの錯視を見ることができます。
その一つが「髑髏の暗喩」と。パピカとココナが迷い込んだ雪の世界で。二人はかまくらを作って夜をやり過ごそうとするのですが、この場面で錯視が出てきます。その画がこちら。
かまくらの中に2人の少女とロボットがいる画に見えますか?それとも髑髏に見えますか?
「髑髏の暗喩」というのは、遠くから見ると、髑髏に見えるというものです。
参照:インビジブル・スカル: Fractal Underground Studio
左は少女と犬を描いた絵、右は男女がワインでも飲んでいる絵でしょうか。
拡大してみると、人物がよくわかりますが、遠くから見たり画像を小さくすると髑髏に見えてきます。ではさきほどのフリップフラッパーズの画像も小さくしてみましょう。
錯視画像に比べるとどうしてもアニメとして配色がついているため、髑髏に見せるのは難しいようで、かなり意識しないと髑髏に見えてこないかもしれません。しかし髑髏の暗喩を意識したものであることは間違いない。
ロウバ
そして、もう一つ錯視が出てきます。ココナが見ている夢のシーン。まずはその絵を見てみましょう。
さて、これはいったいなんでしょう?という問いは抽象的ですね。具体的に言うと、少女に見えますか?老婆に見えますか?
この絵は少女寄りに見えると思うのですが、少女と老婆のだまし絵をご覧いただくことにしよう。
参照:【日記】老婆に見えるか、少女に見えるか、どちらも正解なんだね。
この画像、少女に見えますか?老婆に見えますか?
私はほぼ少女にしか見えなくて、ある場所を意識するとやっと老婆に見えてきます。その場所は首にある黒い横線。少女に見えている人はこの首の黒い線を首輪みたいなのと認識しているのかと思いますが、この首の黒い線を人の口だと思ってみましょう。そして、少女の時あごに見えていた場所は老婆の鼻です。
では、フリップフラッパーズの少女と老婆の錯視画像はどうでしょうか。
少女の首輪は赤色。完璧に口を意識した色指定だと思います。あごはやはり老婆の鼻に見えますが、それでも少女と認識してしまいます。
サクシ
ルビンの壺、髑髏、少女と老婆。1話の中で3つの錯視が出てきました。錯視というのは、自分の目で見ているものだけが世界ではないよということを教えてくれますが、イントロダクションにあった「あなたには、世界はどう見えているのだろう」。
これは錯視を意識したキーワードなのかもしれません。2話以降も、錯視に関連した場面が出てくるのでしょうか。楽しみです。